青森県立三沢航空科学館

特定非営利活動法人 テイクオフみさわ

ミス・ビードル号・・・

1931年10月太平洋無着陸横断飛行したのが「ミス・ビードル号」。青森県三沢市から米国ワシントン州ウェナッチ市まで、飛行時間41時間13分、飛行記録7910㎞、人類初の快挙でした。三沢市 商工会では、87年に「ミス・ビードル号で街おこしを・・・」と言う要望を受け、秋の商業イベントに組み入れました。
実物の1/2の模型を商店街のアーケードに吊るしてパイロットに見立てた参加者がそれを動かし時間を競う「タイムレース」等、斬新なアイディアは内外から好評を得ました。しかし、来場客は回数と共に下降の一途となりました。

ミス・ビードルカップ実行委員会の発足

「何かが違う・・・何か物足りない・・・」葛藤の末、「史実を正しく伝えよう、ふるさとに誇りを持とう、子供達に夢を与えよう、ビードル号を大空に飛ばそう」という思いからオリジナルの紙飛行機を製作し滞空時間を競う大会を平成8年から開催したのです。
ビードルカップロゴ大会を主管するのは官民一体となった実行委員会で平均年齢も当時で33歳と若くアイディアにあふれていました。初めに行なったのは史実の啓蒙、市内小学生を対象とした紙飛行機教室を開催しました。「ビードル号の史実・紙飛行機キットの工作・航空力学」3つのカリキュラムを学べる教室は総合学習として高い評価を得て授業の一環として毎年実施しています。また、米軍基地内家族対象の教室や県民カレッジ認定講座としての教室も開催しています。ホームページも平成8年から開設し紙飛行機の情報に加え史実やビードル号着陸の地米国ウェナッチ市の情報も掲載しています。また、史実や実行委の活動内容をパネルにして全国紙飛行機選手権大会でPRブースを開設、グッズの開発も手掛け全国に向けての情報発信もしてきました。

史実の啓蒙、そして子供達に夢を・・・

このようにお祭り的イベントからビードル号の史実を啓蒙しながら、子供達に夢を与える参加型のイベントへと大きく形を変えていったのです。大会そのものも単なる競技会ではなく、紙飛行機の無い人も充分に楽しめるような工夫を凝らしています。競技会の間「紙飛行機作り方教室」を同時に実施、その完成機でそのまま大会に参加もできます。お昼には会場の原っぱの利を活かし参加者はバーベQを楽しみ、午後の部はクイズ大会や飛行機ゲーム等、青空のもと親子連れやカップルが老若男女を問わず一日遊べる屋外イベントになりました。また、日本紙飛行機協会の強力なバックアップのもと北奥羽予選会として大会を実施、優勝者には全国大会への出場権も与えられます。マニアの方々からの絶大な支持をも得ることができ、北は北海道、南は大阪から遠路はるばる三沢大会に足を運ばれる熱い仲間も大勢できました。

問題の発生

画像ビードルバルサ画像ビードルペーパーしかし問題の発生もありました。当初のオリジナル機が原型にこだわりすぎて製作も飛ばし方も難しく、同封の説明書が日本語のみで外国人には分からない等、大会参加者の増加が見込めなくなったのです。しかし、ここから実行委の底力が発揮されました。250万円の出資金を集め別組織「ビードル倶楽部」を設立、「みんなから愛される紙飛行機を作りたい・・・」そんな強い思いを胸に、98年問題を全て解消した新型機「ミス・ビードル?V(バ(ペーパータイプ)ルサタイプ)」を製作したのです。 (バルサタイプ)その功績は大きく年々紙飛行機教室が活発化されことになり、大会参加者は13年度総エントリー数633名(アトラクションを含む)と過去最高になりました。

米国ウェナッチ大会の開催

また、1回大会時にウェナッチ市長から「同大会をウェナッチ市でも~」というメッセージを受け、平成11年から「ミス・ビードルカップインウェナッチ」を開催しています。地元教育長の後援を受け、姉妹都市協会やシアトル航空博物館、そして教員OBの方々の協力のもと、過去4回のウェナッチ大会に述べ2500人の子供等が参加され、授業の一環として多大なる評価を頂戴しています。英訳された新型機は日米交流という新たなる出発(たびたち)をしたのです。その小さな翼に大きな夢をいっぱい乗せて…

NPO法人「テイクオフみさわ」設立~いそして今後の活動~

これまで商工会を主体としてミス・ビードル号の啓蒙普及活動を展開しておりましたが、平成15年8月8日「青森県立三沢航空科学館」オープンを機に、当初から考えのあった独立法人へ移行して、科学館を利用したソフト事業の展開を行うため設立申請することになりました。そして、設立認証を平成15年9月22日で受け、設立登記を平成15年10月2日にし正式に三沢市第1号のNPO法人「テイクオフみさわ」として設立となりました。
父と子の絵画像ミニ・ビードル三沢らしさである「基地のまち」「大空のまち」「国際色豊かなまち」は、ミス・ビードル号がルーツであると言って過言ではありません。今後、航空科学館と連携をとりながら、その場で簡単に作って飛ばして遊べる「ミニミス・ビードル号機」を媒体としたソフト事業などを展開しながら、航空科学館を側面から支援して行きたいと考えております。歴史的事実が教えてくれた「夢・勇気・挑戦、そして友情」という貴重なメッセージ、そして「科学する心、感動する心」を次代へ継承し、ふるさと愛や人間愛を育み、世代間・国際間交流の促進を図って行きたいと、思っております新しい時代の新たな地域づくりをめざして・・・